「企業理念」について解説するには、まずは「理念」そのものについてご理解いただかなくてはなりません。

私たちは「理念」を日常的に使っています。ただ、「理念」を意識して生活していないので気づいている人は少数でしょう。

「理念」は日常生活の気づきの蓄積です。私たちは他者や社会との関わりの中で「良い結果」が普遍的に現れ易くなる「判断基準」「あり方」などの気づきを「内なる言葉」として無意識に蓄積しています。つまり、「自分と他者と社会にとっての良い結果」を高確率で現実化するために蓄積したデータが「理念」なのです。「理念」は抽象的イメージがありますが、実はとても科学的、論理的な世界です。

私たちの脳には、どうも「意識的に記憶したデータ」と「無意識に記憶したデータ」があるようです。

成功事例や、誰か著名な人が推薦する方法論などは、意識して整理整頓された記憶としてデータ化されます。これが「意識的に記憶したデータ」です。ただ、この「意識的に記憶したデータ」を再現しようとしても、壁にぶつかり結局うまくいかないという経験をされたこともあるのではないでしょうか。結果「あの人(会社)だからできるんだ」と諦めてしまうようなケースです。

壁にぶつかったとき諦めないで前進すると自分の中にあるデータが引き出されて自分流のやり方でゴールに到達することも経験されたことがあるのではないでしょうか。経験の真っ最中に必要なデータが自分の中から意図せずひらめき現れるのです。

「記憶を思い出しながらこれで大丈夫だろうかと少し迷いながらやる」と「ひらめき現れる自分の記憶を駆使して納得して自分流で迷わずやる」の違いでゴールに到達するかどうかの差が出る感覚も経験されている方もいるのではないでしょうか。

誰の中にも「自分が納得して記憶した膨大なビッグデータ」が確実存在します。このデータの中で自分が一番大切にしているデータが「理念」です。この「理念」を意図的に思い出すと「自分が納得して記憶した膨大なビッグデータ」が起動します。結果、「自分が納得したデータ」をフル活用して物事に向かうイメージです。

「理念」にしたがって揺るぎなく判断し行動すると「良い結果」が現れ易くなるのは、関わる人や社会が「理念」により必ずその人らしい一貫した行動や姿勢を「安心」「信頼」しているからです。一貫した「安心」「信頼」の関係が「良い結果」になる確率を高めることにつながっているのです。

さて、「企業理念」は、創業者や経営トップ、または、社員の方々が経営活動の中で蓄積した「自分が納得して記憶した膨大なビッグデータ」の中で特に大切にしているデータを明文化したものです。

「企業理念」は、具体的なサービスや製品に明確に落とし込まれて初めて唯一無二の価値となり社会からの真の評価を得ることにつながります。

あなたが大切にしている「理念」は何ですか?

あなたの会社が大切にしている「企業理念」は何ですか?

両方を紡ぎ「納得」し「共感・共鳴」した活動をして参りましょう。

令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成